労働問題

突然解雇(クビ)されたときにとるべき対策5点

 

秘書
秘書

室長、「もう明日からこなくていいよ」とか突然言われたらどうしたらいいんですか?

生活ができなくなっちゃう。

室長
室長
そうですね。労働者の生活を守るために最低限のルールが労働基準法にはあります。

のびのび幸福になる労働相談室長のnobisukeです。

頑張って働いていたのに突然クビにされたら本当に落ち込んじゃいますよね。頭にも来ます。

突然そんなことを言われても、明日からどうやって生活していいのかわからずお先真っ暗です。

そんなときに、確認すべき点やとるべき対策がありますのでまとめてみました。

そんなひどいことを言う会社のことはさっさと忘れて、もらうものをもらって次の生活のことに考えを移しましょう。

 

解雇の権限があるものからの解雇なのかどうか確認する

そもそも解雇する権限のない上司などから辞めちまえ!と言われても、解雇されたということにはなりません。

会社で解雇する権限がある人に再確認をしてください。

よくわからなければ社長に聞いてください。「やめちまえ、と言われたのですが、解雇ということでよろしいでしょうか」と聞いてください。

 

解雇なのか、解雇であればいつ付で解雇なのかを再確認

「明日から来なくていいよ」、「お前なんか辞めちまえ!」と言われてしまった場合にまず確認しなければならないのが「解雇」なのか「退職勧奨」なのかということです。

来なくていいといわれてそのまま翌日から会社に行かなくなった場合に、「解雇なんてしていない、退職の勧奨をしたら来なくなったので自主退職だ」などと言われかねません。

労働基準法第20条により、解雇ということになれば、事業主は30日前に解雇の予告をするか、労働者に対して30日分の平均賃金に相当する解雇予告手当をはらわなければなりません。

労働基準法第二十条

使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。

2 前項の予告の日数は、一日について平均賃金を支払つた場合においては、その日数を短縮することができる。

3 前条第二項の規定は、第一項但書の場合にこれを準用する。

 

ただし、試用期間中などの一部の条件に合致する場合は支払う義務はありません。

労働基準法第二十一条
前条の規定は、左の各号の一に該当する労働者については適用しない。但し、第一号に該当する者が一箇月を超えて引き続き使用されるに至つた場合、第二号若しくは第三号に該当する者が所定の期間を超えて引き続き使用されるに至つた場合又は第四号に該当する者が十四日を超えて引き続き使用されるに至つた場合においては、この限りでない。
一 日日雇い入れられる者
二 二箇月以内の期間を定めて使用される者
三 季節的業務に四箇月以内の期間を定めて使用される者
四 試の使用期間中の者

また、解雇と自己都合退職ではその後のハローワークでの失業給付の内容に大きな差が出てその後のあなたの生活に支障が出る可能性があります。よく確認してください。

解雇であれば失業給付の特定受給資格者に認定され、失業給付受給手続き後7日間の待機期間を経て給付がされますが、自己都合退職の場合、3ヶ月間の給付制限がついてしまいます。

 

辞めたくない場合は解雇無効を主張する

解雇なんてする会社に残っていてもなにもいいことがないと個人的には思いますので、さっさと次の就職先を探したほうがいいとは思いますが、どうしても辞めたくないという場合は解雇の無効を主張することになります。

労働契約法第16条で「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」と決められています。

ここで注意なのですが、解雇無効を主張したい場合、解雇予告手当の支払いを求めてはいけません。

暗に解雇を受け入れたということになってしまうからです。

また、解雇権の濫用に当たるかどうかの判断は、労働基準監督署ではできません。

民事的な判断になりますので、最終的には裁判所の判断を仰がなくてはなりません。

しかし、いきなり裁判所で手続きをするのはハードルが高いので、まずは労働局や労働基準監督署に相談し、個別労働紛争解決制度を利用する手があります。

個別労働紛争解決制度の助言やあっせんの制度を利用し、和解を試みますが強制力はありません。

ここで解雇を撤回するケースは稀で、金銭的な解決になることが多いようです。

まあ、そりゃそうですよね。

撤回するくらいなら最初から解雇なんてしないでしょうから。

ここまできて解決しないようであれば、労働審判制度や裁判による解決方法に移行します。

解雇権を濫用した不当解雇であるということを主張する必要がありますので、通常弁護士を代理人として手続きを取るケースが多いようです。

 

解雇日を確認して解雇予告手当をもらうか、有給休暇を消化しよう

労働基準法第20条により事業主は労働者を解雇するときは解雇日の30日前に解雇を通告するか、そうでなければ30日分の平均賃金に相当する解雇予告手当を支払わなければならないことは先ほど述べました。

即日解雇ということであれば、解雇日以前の給料から平均賃金を計算し、30日分の解雇予告手当を請求しましょう。

解雇日が1か月先ということであれば、そんな会社にはいきたくありませんので有給休暇を取得しましょう。

有給休暇は労働基準法第39条で一定決められた日数を付与しなければなりません。

労働基準法第三十九条

使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。

2 使用者は、一年六箇月以上継続勤務した労働者に対しては、雇入れの日から起算して六箇月を超えて継続勤務する日(以下「六箇月経過日」という。)から起算した継続勤務年数一年ごとに、前項の日数に、次の表の上欄に掲げる六箇月経過日から起算した継続勤務年数の区分に応じ同表の下欄に掲げる労働日を加算した有給休暇を与えなければならない。ただし、継続勤務した期間を六箇月経過日から一年ごとに区分した各期間(最後に一年未満の期間を生じたときは、当該期間)の初日の前日の属する期間において出勤した日数が全労働日の八割未満である者に対しては、当該初日以後の一年間においては有給休暇を与えることを要しない。

六箇月経過日から起算した継続勤務年数
労働日
一年
一労働日
二年
二労働日
三年
四労働日
四年
六労働日
五年
八労働日
六年以上
十労働日

 

また、事業主には有給休暇の時季変更権というものが認められており、会社の業務繁忙等を理由として有給休暇の取得時期の変更をすることができます。

しかし、既に解雇日が決定しており、時期を変更する余地がない場合は変更することができませんので、解雇日までにきっちり有給休暇を消化してしまいましょう。

事業主に残った有給休暇を買い取る義務はありませんが、話し合いで買い取ってもらうことは何ら問題ありません。

 

くだらない会社、過去はすっぱりきれいに忘れて自分の将来のために準備をしよう

あなたを解雇するような会社で引き続き労働を提供する必要なんてありません。

さっさともらうものをもらって次の就職先を見つけましょう。

即日解雇であれば、解雇予告手当をもらいつつ、会社から離職票をもらってハローワークで失業給付の手続きをするとともに次の職を探す求職の手続きを取りましょう。

解雇日が1か月先であれば、たまっている有給休暇を最大限取得して会社に行かなくても賃金をもらえるようにしましょう。

並行して民間の転職サイトや転職エージェントに登録して情報収集をするもの忘れずに。

次の就職先をさがすにはやっぱり情報が何より肝心です。

手軽に無料で登録できる求人サイトに登録して、どんな求人情報があるかだけでも情報収集した方がいいでしょう。

民間の求職サイトに求人情報を掲載するには結構なお金がかかります。

それに比べてハローワークに求人を登録するのは無料です。

ハローワークにはそれだけ質の低いブラック企業が集まりやすくなってしまいますので、注意してください。