のびのび幸福になる労働相談室室長のnobisukeです。
仕事中にケガをしてしまった、病気になってしまった。
仕事中だから労災の手続きをしなければ!
ちょっと待ってください!
仕事中に起こったというだけでは労災にはならない場合があります。
間違って労災の手続きをとってしまって忘れた頃に「労災にはならないのでー」とか言われた日には大変です。
病院には健康保険への切り替えをお願いしなければいけませんし、会社にも迷惑がかかってしまいます。
今回は労災が適用されないものを具体例を交えながら説明したいと思います。
事前に確認していただいて、正しい手続きをとりましょう。
「仕事中」だけではダメ
労災は、「仕事中」に「仕事が原因」で起きたものしか認めることはできません。
冒頭の事例「風邪」の場合で説明すると、「仕事中」ではあるかもしれませんが「仕事が原因」とはいえません。
風邪を引いた(感染した)原因がなんなのか?どこから何が来て、あなたの体の中でどうなったからとか、わかりませんよね。
原因が不明なので「仕事が原因」とは断定できません。
よって、労災には該当しないんです。
貧血
仕事中に貧血で突然気を失って倒れる人がたまにいます。
女性の方が多いですね。
これも「仕事中」ではありますが、「仕事が原因」とはいえません。
原因は血が薄くなっていること(正しいのかな?)であり、その人の持病みたいなものですから「仕事が原因」ではありませんので、労災には該当しません。
アレルギー反応
仕事中に例えば金属製品を身に付けていて、金属アレルギーで皮膚が荒れてしまったような場合。
これも「仕事中」ですし、仕事のために金属をさわったのだから「仕事が原因」と言えそうです。
しかし、皮膚が荒れてしまった原因は、仕事ではなくその方の「アレルギー体質」です。
他の人は平気なのですから、その取り扱った物質そのものが原因ではありませんので「仕事が原因」とはいえません。
当然、誰が触れても皮膚が損傷するような、例えば硫酸等の物質に触れてケガをしてしまった場合は労災になる可能性が高いです。
日常茶飯事
というお声が聞こえてきそうですが(笑)、つまり仕事特有の動作ではなく、普通に生活していてもなったかもしれないことがたまたま仕事中に起こったような場合です。
例えばギックリ腰。
怖いですよねー、突然襲ってくる魔女の一撃!
私も以前なったことがあるのでその恐ろしさはわかります。
これも基本的には労災にはなりません。
お辞儀をした、落とした消ゴムを拾おうと前屈みになった、普通に椅子から立ち上がった等々。
いずれも仕事「特有の」動作ではなく、プライベートでもありえる動作です。
こういった場合は労災にはなりません。
ただし、仕事でとても重いもの(あるいは思ってたより全然軽いもの)を持とうとして腰を痛めたような場合は労災になる可能性もあります。
同じ理由で、呼ばれたので手を上げたら肩が痛くなった、普通に歩いていただけなのに突然足が痛くなった、上を向いたら首が痛くなった等も日常的にありえる動作ですので労災にはなりません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
以上の通り、労災は「仕事中」に「仕事が原因」で起きてしまった負傷等にしか適用ができません。
たまたま仕事中になっただけで、時間がずれていればプライベート中になったかも?
というようなものは基本的には労災にはならないと思っていいです。
今回あげたものはほんの一例ですので、この他にも様々な事例があると思います。
ビミョーだなー、と思ったら会社の所在地を管轄する労働基準監督署へお問い合わせください。